トオボエ

碁盤斬りのトオボエのネタバレレビュー・内容・結末

碁盤斬り(2024年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

往年の名画調の映画なのだけど、あの時代の価値観をただ礼賛しているわけではないのがよかった。それは中秋の名月の吉原での仕置きの描写や、格之進が斬る斬らないのシーンが全て手遅れになってからのことでお絹の命運に関わらないという虚しさを内包したものであることなどから感じた。特に格之進が首の代わりに碁盤を斬ったくだりは、彼の生きるよすがであった価値観の問い直しの瞬間であったと思うので、その後の掛け軸の扱いの変化への道筋がすとゆと腑に落ちた。
とにかく後半の草彅剛の顔がいい。彼がもっと歳を取ったらどんな俳優になるだろうとさらに楽しみになった。
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