みや

碁盤斬りのみやのネタバレレビュー・内容・結末

碁盤斬り(2024年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


清廉潔白ー
嘘偽りの無い、少しの嘘や過ちも犯すことの無い生き方。とても立派な生き方なのだけれど、それはまるで張り詰めた糸の様に心が疲弊する生き方の様に思える。

少しの嘘や過ちも犯さない人間など果たしてこの世の中にどれくらい存在するのだろうか?少なくとも柳田がそうだ。清廉潔白、嘘偽りの無い生き方を信念とする柳田は、だがそれを他者にも求め、結果的に他者の人生を狂わせてしまう事になる。

皮肉にも宿敵である柴田の嘘により、その事実に気付く柳田。
人は時として嘘や過ちを犯す。けれどそれを一辺倒に断罪するのでは無く、赦し導く事が必要な場合があるのだと感じる。

他者を赦すことを知り、張り詰めた心の糸が解けた清廉潔白な男が吐いた最初で最後の嘘。それは贖罪の旅の始まりだった。
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