竜どん

碁盤斬りの竜どんのレビュー・感想・評価

碁盤斬り(2024年製作の映画)
3.9
アレッ草彅剛の侍けっこういいんじゃない?清廉実直質実剛健な柳田格之進にピタリとハマる。

古典落語『碁盤截(ごばんきり)』を題材としてはいるもののお笑い成分ゼロのシリアス時代劇作品。
主人公にテレビ時代劇のチャンバラ無双するみたいな無敵性は無いけど、地味ながら重厚な殺陣と締めるところは締める格之進の剣技の冴えでアクションは緊張感がある。全体的に「静」の時代劇であり、先日観た「動」の『鬼平』とは違った趣で楽しめる。

「己の道に反しない」のは正しい生き方だとは思うけれど、それが他者にとっても正しい道とは限らない。人にはその数だけ正義があるのだから。鬼→仏に変わった源兵衛も然り、変わることにより見えてくる違う風景もある筈。格之進の新しい道は清廉なモノではないかもしれないが、荒野に歩みを進める彼の気概に共感。いいね。

凛とした面差しが美しい清原伽耶、安定の國村隼、清々しいまでのクズっぷり斎藤工、意外と替えの効かない中川大志、そして大ボス小泉今日子とキャストも充実。


追記
今日あった友人との会話(実話)。
友人「あの映画観に行った?ほらエヴァみたいな題名の…」
私「??????」
友人「時代劇!」
私「あー『碁盤斬り(ヲン)』ねw」
お後がよろしい様で。
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