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碁盤斬りのNSのレビュー・感想・評価

碁盤斬り(2024年製作の映画)
3.5
陰影の逆接な表象としての自然光的な朧な照明と、その一方でアッケラカンとした様な背景の書き割り。その「狭間」にある「映画」という「虚構」。
映画はこういうことでいい。あるいはむしろこれでこそ。

原作落語の概要だけ聞いても、それと比してのこの映画での噺の採り方は、封建的な時代と現代との感覚的な距離を巧みにバランスする絶妙さがあるのではないか。封建的な時代の建前とそれでもやはりあっただろう人間的な本音との相剋を、安易に乖離的にも癒着的にもせず、説得的に描いている様に見える。
やはりそれも、作劇的な「狭間」の緊張感なのだと思う。
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