Tちゃん

ヴァチカンのエクソシストのTちゃんのレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
-
役者陣やプロデューサーのSNSを通じたフレンドリーなプロモーションきっかけで興味を持って鑑賞。
思えばホラージャンルの映画を映画館で見たのは初めてで、普通にめちゃくちゃ怖かったけどオタクの好きなバディもの感とラストバトルの熱い展開に燃えた!

悪魔も祓魔師もパワフルな荒唐無稽の怖くて楽しいエンタメ映画、なのだけど、
この映画を通じて、現実のエクソシストという仕事(役割?職業?)への見方ががらりと良い方向に変わった。

これまでエクソシストという言葉を聞いてまっさきに思い浮かんでいたのは「何だかいさんくさいなぁ」という根も葉もないイメージ。
精神疾患を悪魔の仕業に結びつけてお祓いをしてお布施を募る…という悪徳商法まがいのものなのだろうと思っていた。

一方、映画では序盤に主人公のガブリエルが「悪魔祓い依頼の98%は精神疾患によるもの」とはっきり述べ、医療やカウンセリングなどの適切な外部機関への取り次ぎを行うことを説明する。
そして、悪魔の仕業ではないと判断した案件であっても悪魔祓いの儀式のようなものを行う理由についても、ガブリエル過去の出来事が明らかになるにつれ納得のいくものとなる。
精神疾患の患者になぜ悪魔憑きのような症状がでるのか、なぜエクソシストに助けを求めるのか、そして医者や心理学者としてではなくエクソシストとしてできることは何なのか。パンフレットなど読む限り、ガブリエルの姿勢は実際のエクソシズムに近しいらしく、一概にオカルトや詐欺で括ろうとしていたことを反省した。

それとは別に、「98%は精神疾患」という言い方が巧妙だなぁと思いもする。
98%は心理学や医療で説明がつくもの。だとしたら、もしかしたら、本当に、現実の世界でも、2%くらいは「ホンモノ」もあるのかな…本当にあんなガチホラーバトルがあるのかな…と思いたくなっちゃうじゃないですか…。