Tちゃん

アマデウスのTちゃんのレビュー・感想・評価

アマデウス(1984年製作の映画)
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下品で無礼で低俗なモーツァルト。そんな蔑むべき男の生み出す芸術に、焦がれ続けた神の姿を見てしまうサリエリ。
彼の才能を最も理解し、最も憎んでいるサリエリ。
はい、最高のやつ〜。ありがとうございました。

主演から脇役までとにかく役者の演技が豊かで、脚本も緻密。
劇中劇って散漫になりがちだけれど、音楽も歌詞も物語の流れにぴったりとハマっているものだからまったく飽きずに、それどころか豪華なセットや衣装にも夢中になった。

ラスト近く、思いもかけず訪れるモーツァルトとサリエリの共同作業の場面は胸にせまる切実さがあり、室内の地味な場面のようでクライマックスに相応しい疾走感がある。
分かり合えそうな、真心からの無二の友となれそうな一瞬がふと訪れて、
霧散してしまうところが切ない。