Tully

ヴァチカンのエクソシストのTullyのネタバレレビュー・内容・結末

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

実在のエクソシスト、アモルト神父の悪魔払いを描く。彼が設立した国際エクソシスト協会には、30カ国250人のエクソシストが在籍しているという。アモルトさんの著作もちょっと読んでみたいが、日本語訳はないみたい。この人、ハリーポッターを「子供に黒魔術を信じさせる悪書」として非難していたらしい。アモルト神父と若い神父のバディものとしておもしろかったし、悪魔憑きの怪異表現は程よくて楽しめた。異端尋問や魔女裁判など教会の暗い歴史を絡めているのもよかった。でも教会の過去の罪を「実は悪魔がやらせてたんだ」というのは若干言い訳がましいような気もするけど。日本人からすると、悪魔の怖さはピンとこないところもある。最凶の悪魔という割には、割とあっさり十字架やお祈りで退散するし。悪魔って信仰心が厚いんだなと思ってしまう。「荒くれてるくせになぜか律儀に登校してくる不良生徒」みたいだ。「悪魔は冗談が嫌い」「相手の弱みを握ってしつこく付け込んでくる」など、地獄の王の癖になんかただの嫌な奴みたいだなとも思う。ほとんどの悪魔憑きは精神疾患や心因性の症状で医療につなぐべき案件だが、ほんのごく一部、どうしてもサイエンスで説明がつかない事象があるという。よくわからないけど、確かに人間には解明できないことってあるのかもしれない。
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