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ヴァチカンのエクソシストのbarthelemyのレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
4.2
良かった点

はじめに悪魔がヘンリーに
乗り売った時くらいに、
ヘンリーの眼の上から、
悪魔の眼がつく演出。
ありそうでなかった。
入れ替わった、ではなく
乗り移った、という描写なのがgood
今までは割と目がヤギの目になりがちだった。

良かった点2
バチカンにおける、
性的虐待の話をかなりしていた。
自分の彼女はバチカンから性的虐待を受けており、それにより自殺(カトリックで自殺は即、地獄行き)する。その自責の念に苛まれる。さらに、戦争で自分だけ生き残ってしまった。なぜ?その人生の意味は?というよくある主題も少し取り扱っていた。
バチカンにおける間違った拷問は実は
悪魔の指図でした、それを
隠蔽してました、という一つのオチも
凄みの演出として効いていておもしろい。

良かった点3
はじめに精神病診断しているところ。
これがエクソシストか、と思ったら
普通に精神疾患の治療だった。
だからこその、精神疾患と悪魔祓いの
差別化ができて良い。
悪魔は、その本人しか知らないことや、
憑かれた人が知り得ないことを知っている。
それってすごく分かりやすい。
そしてその知識度合いが悪魔の格を表す。
ミカエルは、悪魔をよく退治するから
堕天しやすい。

良かった点4
世界観がしっかりしている。
ハリーポッターやスターウォーズほどではないにしろ、ジョン・ウィックあたりの世界観よりもよっぽど好き。
ヴァチカンの地下のキリスト教研究所とか、200の悪魔がいてそれを退治しなければならないとか、悪魔や教会の格とか、
とても漫画チックでもあり、楽しい。

寂れたサンセバスチャン聖堂、
そのにアメリカ人家族、
地下には洞窟、カタコンベがあり、
封印されており、という舞台が
ゴテゴテだが、それが良い。

よくなかった点
結局、女という属性は男を堕落させる存在、というある種古典的キリスト教観が再生産されていた。教父の元カノ達とか。
もう少しいろんなパターンあってもいいのに。まあ続編とかできたらいろいろいじれそうやね。
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