MasaichiYaguchi

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.7
SNSで流行する「90秒憑依チャレンジ」にのめり込んだことから思わぬ事態に陥っていく女子高生を描いて、2023年サンダンス映画祭で話題を呼んだオーストラリア製ホラー映画は、親子や家族関係を軸に迷える10代の姿を炙り出していく。
2年前の母の死と向き合えずにいる高校生ミアは、友人からSNSで話題の「90秒憑依チャレンジ」に誘われ、気晴らしに参加してみることにする。
それは呪われているという“手”のかたちをした置物を握って「トーク・トゥ・ミー」と唱えると霊が憑依するというもので、その“手”は必ず90秒以内に離さなければならないというルールがある。
強烈なスリルと快感にのめり込んでチャレンジを繰り返すミアたちだったが、メンバーの1人にミアの亡き母が憑依してしまい、事態は急転直下していく。
人との繋がりを強要されるSNS世代の若者たちの孤独、そのことでアルコール、ドラッグ、セックスといった何かに依存してしまうような現代の状況を象徴的に浮き彫りにする本作は、その代償を衝撃的なラストで描き出す。