ペコ

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのペコのレビュー・感想・評価

3.6
2024年1発目はA24配給のホラー作品。A24ホラー史上最高の興収収入を記録した本作。
霊と交信するために儀式の最初に口にする「Talk to me(私に話して)」。若者たちの悪ふざけが徐々に取り返しのつかない事態へと発展していきます。手を握っている90秒間は霊が憑依するが、手を離さないと憑りつかれてしまうゲーム。普通の感覚なら怖くて絶対にしたくないが、一時の快楽やスリルを楽しむ気持ちは若者ならではの感覚なのかもしれない。最近問題化している、ドラッグや咳止め薬によるオーバードーズをする若者と重なる部分もありました。大勢でいる時に感じる孤独感。母親を亡くした喪失感が大きすぎるあまり、霊である母親の言葉を全て信じてしまう気持ち。SNS社会だからこその、若者の不安定な感情が上手く表現されていたと感じました。
霊たちが生きている人間を操り、地獄へ引きずり込む終わりの見えない恐怖は怖いというより気持ち悪かった。『ヘレディタリー/継承』や『ミッド・サマー』と比べると衝撃度は低いですが、身近な恐怖で言えば本作が一番近いかも。ミアが下した決断は最善の選択だったのかは分かりませんが、霊よりも、精神を病んだり霊に憑りつかれた人間が一番怖いことは間違いないです。ミアのその後や母親の死の原因など、明らかになっていない点もたくさんあり、スッキリはしませんでした。続編が決定しているそうですが、これからどう話が広がっていくのか楽しみです。

そういえば小学生の頃、学校で友達と“コックリさん”ごっこをして遊んだことを思い出した。
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