マインド亀

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのマインド亀のレビュー・感想・評価

4.0
Z世代版ホラーの傑作。エクソシスト続編はこの作品を見習ってほしかった

●そりゃ、何でもかんでも撮影してSNSに投稿する時代だもの、交霊術すらTikTokネタに成るわな、って感じの、どっちかと言うと若者のドラッグ依存を暗示したホラーなんだと思ったら、話が進むに連れ、家族を失った喪失感の話や、人間をたぶらかす悪魔的な要素など骨太な人間ドラマとホラー感がしっかりと展開されてとても面白かったです。

●どう考えても、嫌な展開になること間違いなしなのに、実際に取り返しのつかないことの恐ろしさは、『ヘレディタリー』の中盤の妹のあの展開と同等のヤバさがあります。そしてとてつもなく「痛い」!痛過ぎるんだよなあ〜。

●主人公のミアがなかなか、母親や元カレに依存し過ぎなんですよね。特に母親に対する喪失感は理解できなくもないのですが、それが故に起こる、先述の取り返しのつかない事態は、そりゃミアが悪いよねえ、ってなりますし、ライリーに降霊を許しちゃうのも、簡単に降霊ジャンキーになるのも、普通に元カレを家に招いちゃうところも、全体的に隙だらけで自己中に写っちゃう。
あー、なんだかちょっと好きになれないなあ、となってると、やっぱりちゃんとしっぺ返しを食らっちゃうところが主人公補正かかって無くて新鮮で面白かったです。

●ライリーを苦しめ続ける悪霊たちがミアをたぶらかして来るのですが、個人的には本作の方が、『エクソシスト』最新続編の『エクソシスト 信じる者』よりも、よりエクソシストっぽいなあ、と思いました。
また、ミアの混乱からアチラ側へ渡っていくラストに向けた怒涛の画面展開とテンポ感ある編集は、すべてセリフではなく映像で魅せてくれるし分かりやすい。そして見せ方も面白い。この力量は並のホラーにはなかなかないと思います。これがまたYouTubeで培った映像制作のテクニックが生かされているというのがイマドキの監督っぽくてスゴイし、何よりもキチンと映画として素晴らしい!若い監督のこの力量に、これからがめちゃくちゃ楽しみになる一作です。是非観てください!
マインド亀

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