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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーの消費者のレビュー・感想・評価

4.1
・ジャンル
心霊ホラー/オカルト/ドラマ

・あらすじ
母リアの死以降、鬱病を患い父ともギクシャクしていた女子高生のミア
彼女の唯一の拠り所は家族ぐるみで付き合いのある幼馴染の親友ジェイドの一家だけだった
リアの命日の晩、ミアはジェイドとその弟ライリーと共に同級生の不良ヘイリー達が主催するパーティーに参加
目当ては彼女達の持つ切断された霊媒師の腕をエンバーミングした“手”を利用した降霊会である
懐疑的なジェイドに対しミアは乗り気で儀式を行う
“手”を介し自身に霊を憑依させる儀式のルールは3つ
体の拘束、時間は90秒まで、蝋燭に火を灯し“扉”を開き消す事で扉を閉じるという物
しかしミアは憑依の強烈さから3秒超過してしまう
それでも一見、彼女に異変は見られなかったが2度目の降霊会を行なった時に事件は起きる
自ら志願したライリーに母らしき霊が入り、ミアが時間を延長させると彼は豹変し頭を強く打ち付け始めたのだ
以降、彼女は儀式を終えたにも関わらず亡き母の姿を見る様になりジェイド達との仲もこじれて追い詰められていく
贖罪の為に彼女はライリーを救おうと更に“手”へとのめり込むミア
そして事態は取り返しの付かない方向へと向かっていき…

・感想
オーストラリアの双子YouTuber、フィリッポウ兄弟がメガホンを取った異色のオカルトホラー作品
日本では昨年公開の話題作

YouTubeが製作したとは思えないほど予想以上に良く出来た内容と容赦のないゴア描写や不快描写が詰め込まれた映像にかなり驚かされた!
エンバーミングされた霊媒師の手というアイテムも特徴的でキャッチー
それでいて一貫して陰惨な空気が付き纏う世界観や死んだ時のままであろう霊のビジュアル、憑依時の発作の様な動き、不意の事故から孤立していくミアの悲劇、霊により引き起こされる更なる惨劇、そして綺麗に収まりながらも厭なラスト…
どれもしっかりと作り込まれていたし安直なジャンプスケアにも逃げないジワジワと来る恐怖演出は初監督作品とは思えないほど巧み
西洋のホラーによく見られる逃げの描写も一切なく惹き込まれた

恐怖よりも辛さが勝ってくる内容なのも大正解
恐怖を煽る心霊描写は既にかなりやり尽くされているし繊細さが求められるからその選択は英断だったと思う
欲を言えばもっと不快描写を詰め込んでくれても良かったけどキャストも若いし不満はない
そりゃヒットするわなぁ、と納得の出来!
身体破壊がほぼ自傷だけでかなり痛々しいのがまたイイんだよな…

オーストラリアのホラー/スリラーと言えば「ニトラム」も良かったけど心理的に厭な所を上手く突いてくるという点では本作も共通しているしお国柄的にそういうのが得意なんだろうか?
まぁ「Wyrmwood(邦題: ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ)みたいな良い意味でおバカな作品もあったけどw
今後もオージーホラーには期待したいなぁと思う
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