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12日の殺人のエスのレビュー・感想・評価

12日の殺人(2022年製作の映画)
3.5
#12日の殺人

監督は『悪なき殺人』を手がけた
ドミニク・モル監督

2013年にフランスで実際に起きた
モード・マレシャル殺人事件を基に
フィクションを加えたクライムサスペンス
.
.
12日の夜に生きたまま火をつけられ
翌朝、焼死体となって発見された
女子大生クララについて
刑事が捜査していくうちに
事件の闇に翻弄されていくというもの


残されたスマホを手がかりに
クララの交友関係と
親友さえも知らなかった
素性が明らかになっていく

多数の男性と関係を
持っていたクララ
そんな男性たちの
発言は闇そのものでした

一方で、
私生活を犠牲にしながら
捜査にあたる刑事たちは
容疑者を特定することのできない
焦りとともに取り調べも
高圧的になっていく

未解決の実在事件とあって
家族の悲しみや
刑事の捜査と心情をメインに
描かれているため
ストーリーは終始淡々と展開し
エンタメ性も少なめ

けれど、捜査チームの班長で
主人公ヨアンの心の変化が
繊細に描かれていて
観入ってしまった


迷宮入りした事件を基に
描かれているというのを
念頭に置いて鑑賞すれば
このラストにも納得

フランスのセザール賞では
最優秀作品賞、最優秀監督賞など
6冠に輝いた本作

フランスで起きる殺人事件のうち
20%は未解決という

捜査の背景をリアルに映し出し
フランスの社会問題を
突きつける作品として
個人的にはフランス映画の
雰囲気も楽しめて面白かったです。
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