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12日の殺人のmarutabatsuoのレビュー・感想・評価

12日の殺人(2022年製作の映画)
3.9
ドミニク・モルはやはりすごい。
冒頭で未解決事件であることは述べられる。なのに『ツイン・ピークス』のように事件の裏側の禍々しさが少しずつ明らかになってゆく様子に片時も目を離せない。すべての容疑者が疑わしく、すべてがシロのようである

そして、中盤で被害者の親友が漏らす「○○だから殺されたんです」の叫び。あそこである種の犯人性が露わになり、観客までもが見ている構図を突きつけられる。
同時に無実である多数の容疑者が受ける扱いもまた

出口のないバンクを自転車でこぎ続け、闇に飲まれるように事件に吸い込まれてゆく警察官。そこを抜けた先に見えた景色。
事件は解決しない。ただそこにあった多くのことが映っている