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12日の殺人のmisuzuのレビュー・感想・評価

12日の殺人(2022年製作の映画)
4.0
フランスの地方都市で実際に起きた殺人事件を基にした作品。
映画の冒頭で未解決事件とクレジットされているように犯人当てのサスペンスではなく、事件を捜査する刑事達の姿を描いた社会派ドラマ。
被害者であるクララは若い女性で、恋愛において複数の人物と奔放な関係を築いていた。
私生活が明らかになるにつれ、刑事達もクララに対して殺害されても仕方がないと眉を顰めるような態度を取っていく。
男性が複数の女性と交際することは「モテる」とポジティブに評価されるのに、女性の場合は「アバズレ」などと非難される。
事件を通してフランス社会の中にある女性蔑視も浮き彫りにされている。
ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』を彷彿とさせるけれど、こちらは抑揚が少なめでドキュメンタリーのように感じられた。
評価が分かれそうな作品だけれど、個人的にはとても好みに合っていた。

030 / 2024年
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