さよこ

ドミノのさよこのレビュー・感想・評価

ドミノ(2023年製作の映画)
3.6
【fan's Voice試写会で鑑賞】
※ネタバレ感想とスコアは公開後に追記します🙏

🎈全体の感想
何層にも重なった虚構の世界と現実の世界。構成上、映画を観ている人たちが真実にたどり着くのは不可能に近く、謎解きというよりは最後の種明かしで、様々な点と点が繋がるのを楽しむタイプの作品。

🎈アフタートークレポ
制作エピソードについての話題が少なかったので、今回のアフタートークレポートのネタは1つだけです🙏この作品は''ロバート・ロドリゲス監督がヒッチコック作品にインスパイアされて制作された作品''とのことでした。たしかに作品全体にどこかクラシックな雰囲気が漂っていて、今どきぽい演出はあまりないなって思ってた。もしかしたらもう少し年上の世代にはしっくりくるのかも…?

🎈記憶のトリガー
記憶を取り戻すためのトリガーの話が伏線になっていたり、たぶん他にも細かな伏線があちこちに張り巡らされてると思う。

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⚠️この先、ネタバレあります⚠️
※映画公開日を過ぎたら投稿します※
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🎈最強の祖父母
この2人が強くて最高だった。もし続編が制作されるなら出番増やして欲しい。里親になった記録を消せるの凄いし、2人の経歴がとても気になる。何者…!何者なんだ…!!!

🎈演出の古さ
ヒッチコック作品にインスパイアされているからあえての手法かもしれないけど、どのシーンもどこかで観たような二番煎じぽさがあって正直94分でも長く感じた…。効果音も古さがあるし、赤いジャケットなんかはもうダサすぎて見てられなかった。なぜその衣装?秘密の組織ならもっと控えめな制服のほうが良いんじゃないか??全体的に肌に合わなかった。これは90年代の映画だよと言われたほうがまだ納得ができる。

🎈自分なりのまとめ
子どもを守るため、そして組織最強の男に対抗するために、子どもを祖父母のもとに預ける⇒子どもが育ち、最強の男に対抗できる準備ができた⇒対決。
…なのかな。それにしても組織の訓練なしに、例のチカラが向上するんだったら訓練なんて不要だし、男に対抗できるチカラがあるかも未知なので、かなりイチかバチかの作戦なのではと思ってしまう。この辺の流れがしっくりこなかった。

🎈その他いろいろ
・何回も失敗してるのに同じ脚本でトライ
・トントン拍子に進むのは虚構だからなのね。
・なぜ!そこで!突然のキス!!!
・ずいぶん銃や死体に慣れた子供だねぇ
・エンドロールでこの展開は胸アツ
・能力者同士で子どもを量産しようとしなかったのは組織の唯一の良心かも。

🎈余談1
子どもの生まれ持った際の才能を伸ばしてあげたいという気持ちは多くの人が持ってると思うけど、当然ながら子どもがその才能を活かしたいと思っているかは別物なんだよね。トップクラスの成果を出せる人は、才能×努力×性格の三要素がうまく噛み合っているからだと思う。遺伝子学上、どんなに優れた筋肉を持っていても、本人の性格が平和主義で競争が苦手ならスポーツは向かないだろうし、持って生まれた才能は先天的にも後天的にも本人の性格と合わなければ、周りからの期待は本人にとっては苦しいものになる。あなたは優秀な遺伝子を受け継いでいるはずなのになぜ成果が出せないの?と。そんなのつらすぎる。

SNSでは『トップアスリートなどのお化け遺伝子の持ち主の配偶者は国が選定すべき』だとか『トップアスリートはたくさん子どもを作って欲しい』だとか、遺伝子に対するリスペクトを発信する人たちが定期的に現れる。そのたびに優生思想だと炎上しているが、こういう発言はトップアスリートたちにとっても失礼な発言だよね。あなたの成績は優秀な遺伝子だからだって言われているようなものだもの。これまでの努力とかメンタルトレーニングとか、そういう個人の頑張りへのリスペクトを横において''遺伝子が優れているから''の一言で片付けられる悔しさったらないよ。あなたにだって優秀な遺伝子は組み込まれていて、あなたはそれを活かせず結果を出せていない側の人間かもしれないのに。そういう自分のことを棚に上げて『優秀な遺伝子を守ろう!子どもを増やそう!』は、余計なお世話ってもんよ。そんで優秀な遺伝子を持った人間が、子育ても上手とは限らないからね。優秀な人たちほど教える・育てるが下手っていう説もあるくらいだし、数多の2世たちを見てたら分かるはずなのにね。

🎈余談2
人の脳にハッキングして言動をコントロールしたり、過去の記憶を消せるんだったら、PTSDなど後天的に精神を病んでしまった人たちにとっては希望の光になるかもしれないね。一度壊れちゃった心を元に戻すには、壊れた原因をなかったことにするしかないもんね…。
さよこ

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