楽しみにしていたロバート・ロドリゲスの新作を観て来ました。
原題は“Hypnotic”(催眠の、催眠術の)。
あれ、“ドミノ” じゃないの?
しかも、なんだか一時期のデ・パルマやシャマランの作品を観ているような印象でした。
過去に幼い娘を誘拐され、心に大きな傷を抱える刑事(ベン・アフレック)がカウンセリングを受けているところから映画は始まります。
ところが、ある事件が発生し、その事件は過去に誘拐された娘と関係が・・・
始まってすぐに、これは宮部みゆきの小説『魔術はささやく』や黒沢清監督の『キュア』みたいな後催眠の話か・・・と思ったんですが、ちょっと違いました。
敵キャラは事前に何の仕込みもナシに次から次へと初対面の人間を操る凶悪ぶり。
これはもう催眠術は超越してもはや超能力。
まるで『スター・ウォーズ』の“フォース”。
自由に操れない相手も『インセプション』みたいな幻視で翻弄(画力としては『インセプション』より落ちますが)します。
B級演出ながら一気にたたみ掛けるハイ・テンションな展開がさすがロドリゲス。
私は『アリータ』がつまらなかったので、本作は久々にちょっとスッキリ。
アフレックの娘役の女の子がまたイイ感じ。
成長に合わせて複数の子役が演じていますが違和感がありません。
しかも母親役のアリシー・ブラガにもなんとなく似ています。
シャマランの『オールド』もそうでしたが、こういう細かなキャスティングにこだわる監督は好感が持てます。
ただしこの邦題。
本作を観るとタイトルを『ドミノ』にしたい気持ちもわからんではないものの、『ドミノ』というタイトル(原題同じ)の映画は既にトニー・スコット監督作やデ・パルマ監督作もあるし、わざわざ原題と違う邦題をつけるならもう少し工夫して差別化して欲しいものです。