MasaichiYaguchi

窓ぎわのトットちゃんのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
4.0
黒柳徹子さんが自身の子ども時代を綴った世界的ベストセラーをアニメ映画化した本作は、新しい戦前と言われ、多様性が叫ばれている現代にアップデートされ、エモーショナルな物語で我々を感動に誘う。
好奇心旺盛でお話好きな小学1年生のトットちゃんは、落ち着きがないことを理由に学校を退学させられてしまう。
その後、東京・自由が丘にあるトモエ学園に通うことになったトットちゃんは、恩師となる小林校長先生と出会い、子どもの自主性を大切にする自由でユニークな校風のもとでのびのびと成長していく。
この映画を観ていると、東京下町で過ごした小学校時代が蘇ってくる。
ただ本作に登場するトモエ学園の「子どもファースト」で自由な校風ではなかったので、もしあの時代に戻れるならば、この様な小学校に入り直したくなる。
ロシアのウクライナ侵攻、パレスチナ・イスラエル戦争では、多くの子どもたちが犠牲になっている。
「戦争は本当に良くないんだ」、「友だちには優しくしなきゃいけない」ということを強く伝えてくれる本作は、我々が抱く今年について“代弁”しているような気がする。