「窓際のトットちゃん」原作の本は読んでいて、内容を知った上で鑑賞。
こうゆう実際にあった出来事の映画は良い、悪いと単純に感想を述べることができないなって見るたびに思う。
見て良かったと思うけど、簡単に人にオススメもできない、色々考えさせられる映画だった。でも窓際のトットちゃんという本がそういう、ただホッコリするような本ではないから。
当時の生活や、戦前の大らかな空気、大人と子供、夫と妻、先生と生徒、とか今の時代とは違う感覚もしっかり伝わってきた。きっとそこも「描かないといけないけど、配慮もしなきゃいけない」部分ですごく考えられて作られたんじゃないかなと思う。
泰明ちゃんとのお話（泰明ちゃんのお母さんが、トットちゃんと木登りをして汚れたシャツを握りしめて泣くシーン、涙が止まらなかった）、徹子さんから見た校長先生（歯が抜けてるところまで笑）、パパとママの愛、パパの仕事への姿勢とか、徹子さんは本当に愛されて育ったんだなていうのが伝わってきた。
それに加えて、戦争の色んな意味での怖さを物語っていた。トットちゃんと泰明ちゃんが歌いながら道を歩いていた時に、顔の描かれてない大人が「そんないやしい歌を歌ってはいけない」て注意するシーンが、個人的にとてと怖かったし、戦争というものが作り上げる人間像みたいなのを物語っていた気がした。
子供の想像の世界はちょっと違うアニメーションで描かれていたりして、窓際のトットちゃんの世界観というか、徹子さんから見たこの時代の世界観にすごく厚みが加わる感じで良かった。
ただ先生の声優の滝沢カレンが「アニメだけどアニメのようなポワポワした話ではなく、楽しいところもあれば胸が苦しくなるような場面もあったり」て話していたのがすごくわかるなーて思った。
カレンちゃんの声がすごく先生の雰囲気に合っててすごく良かった。
