MeiMorimoto

窓ぎわのトットちゃんのMeiMorimotoのネタバレレビュー・内容・結末

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞者のリテラシーによって受け取るものがそれぞれあるとおもう 映しているのだけどわざわざ「映しています」と言わないことで 人によって「映っている」だけにも「映している」ようにも見える そういうつくりかたができるのか…

学校というところは生きることを学ぶ場所であってほしく 生きるということは他人とやっていくということだ はじめは「何でも一緒にやるように」という教えに(みんな一緒にできると思うなよ?)と反感に似た違和感を持ったのだけど
一緒にやろうとする→自分とはまるで違う他人に出会う→まるで違う他人とどうすれば一緒にやれるか試しながら考える
初めからみんな違うことが前提だった
巴(トモエ)を冠する学校の校舎には陰陽マークが掲げられている
(息子にも「巴」と名付けているらしい)

わたしは 小林先生になりたいよ
いい先生って 全員が「自分は特別に扱われている」って思うような接し方をできる人?

以下エピソードメモ
・泰明ちゃん木登りのシーン 見られることのなかったはずの景色をトットちゃんの誘いで見られることができた いつも本ばかり読んで大人しく過ごしていた泰明ちゃん その日お母さんは初めて泥だらけになったわが子の服をみて「洗濯が大変ね…」と涙する
・泰明ちゃん相撲のシーン 無双するトットちゃんに挑戦するも小林先生の提案で腕相撲に変更 トットちゃんはわざと負ける 「ズルしないで」と泣く泰明ちゃん 欲しいのは勝利じゃなくて対等な勝負だった
・トットちゃん 空腹からお弁当の歌を歌って通りすがりの兵隊に「卑しい」と言われ泣いてしまう どうにか励ましたい泰明ちゃん リトミックを思い出す 歌う体
・小林先生初めてトットちゃんに会う 「全部話してごらん」 楽しい話を全部出し切ったトットちゃん 最後に「…どうしてみんな私を困った子と言うのかしら?」 最後まで全部聞いてくれる人にようやく話せることがある
・トットちゃんが財布をトイレに落とす 糞尿を掻き出し自身もクソまみれのトットちゃん 小林先生は気が済むまで探させる さりげなく目も配っている
・いつも本ばかり読んで運動系の活動には遠慮していた泰明ちゃん 小林先生は図書室をつくる みんなに披露しながら泰明ちゃんに目配せ
・小林先生が他教師の配慮不足を叱るシーン フォローとして発達の遅い高橋くんに「一等になった!」経験を贈る 教師も学ぶ
・泰明ちゃんの貸してくれたアンクルトムの本を読んだトットちゃん父 食糧と引き換えに軍歌を弾くことは取りやめる 彼の美しいバイオリンが美しい世界のためにあることに賛成する家族
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