ゆた

窓ぎわのトットちゃんのゆたのネタバレレビュー・内容・結末

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

黒柳徹子さんの原作は未読ですが「窓ぎわのトットちゃん」を鑑賞。

キャラクターデザインが児童画のデザインを研究して作られたとのことでして、素朴で愛らしい絵柄のアニメーションでした。このアニメーションだからこそ、描けたシーンもあったのかなと思わされました。(プールのシーンとか)

トットちゃんは学校の集団生活に馴染めて無い。そんなトットちゃんが通うことになるトモエ学園の校長である小林先生が素晴らしい。トットちゃんの入学面接では、4時間ずっとトットちゃんの話したいことを傾聴して、向き合ってくれました。戦前から、あれほど教育に熱心な先生がいたとは驚きです。

トモエ学園では、教育方針では自分で授業の順番を選べたり、自分のやりたい勉強ができるといった自由な校風な学校でした。独特な教育方針で、そこにいる生徒はのびのびと過ごし、皆イキイキと成長していってました。

トットちゃんは、裕福な家庭で過ごしていて、そういった家庭での戦時中の暮らしの変化が凄く目を引きました。次第に家庭が戦争に巻き込まれ、質素な生活に変わっていくのがリアリティがありました。ママパパ呼びを辞めるように促されたり、トットちゃんの目線で、幸せだった家庭や自由な学校生活が戦争によって、壊されていくのは、静かに戦争の悲惨さを感じさせました。

死因が描かれなかった泰明ちゃんですが、戦争では身体の不自由なものから命を奪われていくことを伝えるためなのか、お葬式のあとで戦争へ向かう軍人のシーンへと切り替わりました。

最後、トットちゃんが小林校長とトモエ学園の先生になると言った約束は実現しなかったですが、こういった映画を作るキッカケとなり、トモエ学園の素晴らしさを知れただけで良かったです。
ゆた

ゆた