dicanio

バカ塗りの娘のdicanioのレビュー・感想・評価

バカ塗りの娘(2023年製作の映画)
4.0
弘前が舞台ということもあり、贔屓目のバイアスがかかっているかもしれないが良かった。

景色、そして黙々と写し出される制作工程のシーンは尺も長いし静かだがなんだかずっと見ていられる。これからもっと機械化されていく世の中ではあるが、手間をかけて作る工程には何か人を惹きつける魅力がある。製品そのものの価値は変わらないが、その魅力の価値はこれからどんどん上がっていくだろうなとこの映画をみて思う。津軽塗り買いたくなりました。

内容はというと、リアリティな映画であるので、ちょっとした非現実的なことや、端折りは気になるところではあった。
特に、美也子のスキル。お父さんを手伝っていたからスキルが既にあるのか、もしくはこのシーンの中でぐんぐんスキルアップしていったのか、そのどちらでもあるのかもしれないけど、結果的に彼女が素敵な作品を作れるスキルがあるのか僕には点と線が繋がることがなく違和感であった。セリフが少ないので見る人が見たら制作工程シーンである程度力量は分かるのかもしれないけれども。
それでも、なんとなく自分の可能性に見切りをつけていた主人公が、1つのことに夢中になっていく様には心打たれたし、大いに感動しました。堀田真由さん最高・万歳です。
dicanio

dicanio