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SAND LANDのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

SAND LAND(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 漫画「Sand Land」はデジタルにタッチが移行しつつ、週刊連載だった「Dragon Ball」の余熱も残っていて本人も認めるほど脂が乗り切った時期でもあった。その意味で今回の映画版のタッチとの相性は抜群に良く、アナログ/デジタルを横断するタッチの選択と原作のコマ割りを踏まえつつ、アニメーション的なダイナミズムを活かしたという点ではかなり頑張っていたと思う。「鳥山明の絵が動く」という側面だけ見ればドラゴンボール期含めて最高傑作かもしれない。彼が拘っていたメカやアイテムの描写には愛を感じた。

 音楽とギャグは流石に古いし、演出もいささか合わない。特に最後の技を別の角度から3回も見せて強調するのとか(演出法に名前があったっぽいけど忘れた)。一番気になったのは光の演出で、父親に会う際の洞窟での松明やキャンプでの光のような強弱を伴う光がキャラクターの顔や体に投影されるとき、陰影や揺らぎは無く均一の明るさが光るだけなのはなかなか悩ましい。良く言えば漫画寄りだけどもっと細かく丁寧にできたよねと思っちゃう。
 一枚一枚の作画という意味では優れているので、ちょっと見てみるかっていう気分で見るのが良いかも。ふらっと劇場に入るというなかなか昨今味わえないノリで見ることが出来たという意味でも貴重だった。
 
 
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