マキネスタ

さらば、わが愛/覇王別姫 4Kのマキネスタのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

蝶衣の京劇への愛、蝶衣の小樓への愛、菊仙の小樓への愛、主要キャラ各人が己の信じた「愛」を貫こうともがく中で、激動の中国社会情勢がこれらを飲み込む
運命としては究極的に類似していた菊仙と蝶衣だが、前者は「現実」世界の中で愛を全うしようとしつつも情勢の変化の容赦なさに悲劇を辿った一方で、蝶衣は京劇という「フィクション」に日常と安らぎと愛を最終的に見出した
この対立構造の間で板挟みになる小樓もとても人間らしく、また彼の笑みで蝶衣への愛が発露するという心酔のラストシーンに感嘆
こんな作品はおそらく2度と出てこない

フィクションに始まった人間がフィクションに終わる、今まで観たどの作品よりも最高のエンディング
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