このレビューはネタバレを含みます
劇場公開:21本目
2024年:74本目
202405:11本目
・シナリオ:☆☆☆☆☆
・演出: :☆☆☆☆★
・雰囲気: :☆☆☆☆★
・個人的好み: :☆☆☆☆☆
『空白』の吉田恵輔監督最新作。タイトルのmissingは、失踪した娘、心がすり減っていく夫妻、心無い誹謗中傷を行う人々や夫妻を視聴率を取るためのネタとして考える記者たちなど複数の意味を持つ。
空白も複数の意味を持つ作品であり、その辺りも継承しているなという感想を抱きました。
『空白』と同じく、加害者や被害者を徹底的に叩いたり茶化したりする現代社会の闇を描く。
あわせて、人の不幸を稼ぎの道具として良するメディアの冷酷さも引き続き描かれています。
また、今回はメディア側の葛藤も描いておりこちら側の抱える問題も垣間見える。
いつまで経っても娘が見つからないことに対する焦りや苛立ち、絶え間のない誹謗中傷など、どんどん悪化していく夫妻の状況。心に余裕がなくなり、周囲にも当たり、唯一報道を継続してくれるメディアにすがるなど、キツい描写が続く。
『空白』同様に根本的な問題の解決は描かれない。心が無くなりつつある現代人の闇を描いた傑作でした。