矢野竜子

ミッシングの矢野竜子のレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.8
行方不明をベースにあらゆる点で「情報」という
一種の呪いに翻弄され何かと何かの間で
揺れ続け葛藤する人々をひたすら120分描いており
華金にガッツリ食らってしまう。
情報に縋る人、情報に惑わされる人、
情報を作り出す人、情報を広める人。
自分と他人の間には絶えず様々な情報が
テレビから携帯からネットから垂れ流され続けていて
もはや情報からは決して逃れることはできない。
ガラスという境界の前で声にならない声をあげる様子が
3シチュエーションほど登場するが
それはまさしく情報によって
人同士が分断される象徴だろう。
一方でそんな情報こそが人を繋ぐことも確かなわけで。
終盤の車のシーンとか良かったし
(そこに境界はなくなっている)
号泣する青木崇高なめの石原さとみとかもそうだけど
本作はメインキャストの表情が抜群に良かった。