カトマン

ミッシングのカトマンのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.5
石原さとみの為の作品であるならば、その試みは成功している。テレビドラマでは決して出来ないであろう、憔悴し切った石原さとみがいる。顔を歪め、悪態をつき、錯乱し、暴力を振るい、失禁までしてみせる。力演という言葉が相応しい。しかし、見た事ない石原さとみの引き出す為に整えられた舞台は余りにも拙く、幼稚でありきたりだと言える。分かりやすい倫理観とメディア批判、人間の無関心、悪意を分かりやすく並べ、その上で石原さとみが存分に力演を繰り広げる。薄い社会派的な空気感の舞台設定とこの力演が、空回りしているとも言え、観ていてもこちらの気持ちが覚めて来る。石原さとみの力演が存分に堪能出来るが求心力がどこか薄く、説得力にも欠け、露悪的な印象に止まっている。
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