久遠

ミッシングの久遠のレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.2
事象が極めてフラットに描かれるため、観ていて非常にしんどかった。フィクションを眼差す時、どこか分かりやすい悪者を探してしまう癖を、「捜索」をテーマに今作は容易く見抜いてくれる。また、“演技”を超越したとも言える石原さとみのパフォーマンスは気まずさを覚えるほど凄い。

扇情的な演出は意外と少なく、重たい題材に合わせた静謐な語り口なところが好み。メディアの扱いも「空白」から前進していて、砂田を筆頭にテレビ局の記者たちの人物造形が多層的で、一般市民とマスコミの対立を煽らない作りなのも大変良い。
久遠

久遠