れもん

ミッシングのれもんのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.0
『空白』『神は見返りを求める』の吉田恵輔監督最新作。
Filmarksであらすじを読んで気になっていたので、公開翌々日に夫婦で鑑賞してみた。

主人公・沙織里を演じた石原さとみの演技がかなり良かった。
今作を観る直前に観た『シン・ゴジラ:オルソ』のカヨコとは全くの別人に見えた。
単純に化粧っ気が無かったからとかそういうことではなく、外見に関してはむしろどれだけ質素にしようが石原さとみの美しさは隠しきれていないな…なんて思ってしまったが、内面から滲み出るオーラが完全に別人のものだった。
今作の石原さとみや『MOTHER マザー』の長澤まさみのように、キラキラした役だけでなくこういう役も演じられる女優が40代以降も生き残っていける女優なのかな…などと勝手に思ったりした。

また、沙織里の夫・豊を演じた青木崇高の演技も良かった。
豊が家族を想ったり守ろうとしたりする姿に胸を打たれたし、シンプルにかっこいい夫だと思った。

全体的に俳優陣の演技は良かったけど、ストーリーが宙ぶらりんのままで終わったように感じられて残念だった。

以下ネタバレ有。







あらすじを読んだ時点で、今作は恐らく「山梨キャンプ場女児失踪事件」に着想を得て制作されたのかなと思った。
なので、「せめて今作では美羽が生きて見つかればいいのに」と思いながら観ていたけど、最後まで美羽は見つからず。
美羽が見つかってハッピーエンドが観たかったけど、そうでないのならバッドエンドだとしてもなんらかの結末を描くべきなような気がしたし、結末を曖昧にするのなら微妙に希望を持たせるような雰囲気も要らないと思った。
自分の子供が行方不明の状況なんて希望も何もないだろうと思うから。

また、時間をかけてマスコミ内部の悲喜交々を描く意味があまりあるように思えず、そんな話より家族や職場や近所の人々との人間関係やネット上における誹謗中傷への対応など他の話を掘り下げて描いてほしいと思ってしまった。
これは私の中にマスコミに対する偏見があり、どうせマスコミに正義感や倫理観なんてないだろうと思っているからかもしれないが。

↓『空白』
https://filmarks.com/movies/89585/reviews/125623861

↓『神は見返りを求める』
https://filmarks.com/movies/101912/reviews/169577262

↓『シン・ゴジラ:オルソ』
https://filmarks.com/movies/116362/reviews/175209335

↓『MOTHER マザー』
https://filmarks.com/movies/88789/reviews/100213661

【2024.05.19.鑑賞】
【2024.05.25.レビュー投稿】
【2024.06.06.レビュー最終編集】
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