えんびふらい

ミッシングのえんびふらいのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.9
覚悟はしていたが、やはりショッキングな内容。ただ扇状的な表現はそこまで無いからリアルなしんどさがある。
このしんどさは「共感できるから」ではない。むしろその逆で、いわば観客、他人事として見てしまうことに対するしんどさだ。

特にこの効果を増幅させているのは石原さとみによる迫真の演技だろう。絶対神 砂田を信仰するヒステリックな様は、夫と同じように少し退いた目で見ざるを得ない状況に追い込む。
ただ本作は他人事として捉えることに対して、説教している訳では無い。一線を引くことで妻と夫が成り立っているように、決して悪いことでない。その一線を悪く踏み超えれば攻撃性を孕むし、良く超えれば一縷の希望が提示される。


感情移入をあまりさせない作りにしているからか、若干違和感を覚える演出はあった。特に商店街のシーンは正直冷めてしまった。ハッとさせるシーンではあると思うのだけど。
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