ひるるく

ミッシングのひるるくのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.7
石原さとみの

石原さとみによる

石原さとみのための

吉田恵輔監督が「苦手なんです華があり過ぎるから」と1度は断っておきながら本人からの熱烈なオファーにほだされて脚本を新たに練り直した本作。

監督に特有の手振れカメラと抑えた照明が生むその場に居るかの様な臨場感が本作のリアリティのあるドキュメンタリー調な構成に過去作と比べても一番にマッチしてたと思いました。

劇中の石原さとみさんの台詞「なんかあなたと温度差がある」(1度の鑑賞なので文言は正確ではないです<(_ _)>)

が象徴的ですが同じ画面上の手前と奥で温度差が違うシリアスなシーンの中にふっと笑いが抜ける構図や脚本はまさに監督の真骨頂といった印象でした。

カメラワーク、編集、照明、構図、脚本といかにも監督らしさの安定感でした。


ただぁ〜!(粗品風)


う~ん、『ヒメアノ〜ル』『神は見返りを求める』『愛しのアイリーン』『空白』は倫理観にかなり問題のある人物が軸となり山あり谷あり落差の激しい超展開が楽しめたのに比べ本作のストーリーは平坦で刺激不足でしたね、個人的に監督に求めてたものとは違いました。

ですけど本作の一番のセールスポイントはやはりキャストの素晴らしい演技でしたね、正直、石原さとみさんはガッジ~ラのアクセントの癖ぐらいしか印象に無かったのですが警察署のシーンでの激しい演技はメソッド演技?かと思える程に何かが‪‪︎︎ ︎"︎︎降りて ︎︎ ︎︎"︎︎来ていて素晴らしかったです、監督も演出や演技のアドバイスはしていたそうですが3、4分前とは別人の石原さとみさんだったとジャガモンド斉藤さんとの対談で仰ってましたね興味がある方はネタバレ有り無し(前述の内容はネタバレ有り)ともリンク先を下に貼っておきますのでご参照下さい。

それとは対照的な青木崇高さんの抑えた、そして堪えてた物が溢れ出す演技には思わずうるりとしました。

偏見や人それぞれが大切にしてる価値観などお互いに‪‪︎"︎︎温度差‪︎ ︎︎"︎︎があるのは人間なら当たり前で、そこから生まれる摩擦や本作の突然の失踪など理不尽な悲劇に直面した時に絶望や虚無を感じるのならば人はどうすれば良いのか?それでも生きてゆくならばそれらと折り合いをつけてゆかなければと最後に一条の光を灯す監督の人を見る目は暖かいと思うのです。



ネタバレ無し

https://youtu.be/PLEfz3Lolwc?si=XabFg6N5E5qFPWu1


ネタバレ有り

https://youtu.be/ya_H2Sfi7Mc?si=VFnvkhAk78rjFGS5
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