ひるるく

ありふれた教室のひるるくのレビュー・感想・評価

ありふれた教室(2023年製作の映画)
3.9
あなたにとって正義とは何か?

多様性、ポリコレ、コンプライアンス、同調圧力、認知の歪み、多文化共生、移民問題、人種差別、過去の歴史への贖罪、メディアの炎上商法、不寛容方式などなど現代を象徴するテーマを扱った作品だと思いました。

現代にとっての最適解とは?

数学やルービックキューブの様に主張ではなく事実としてアルゴリズムで証明出来たなら答えは簡単なのに....

ただし人間には理屈や理論ではなく感情や文化、思想、信条などのバイアスが掛かる事によって生まれる悲劇もある事を想定していなかった新任教師カーラ....


正直に言えば見ていて心が抉られる程に辛かったですね、よってレビューも遅れました、脚本上の見事な布石、スタンダードサイズの閉塞感など劇映画としてのエンタメを楽しめると同時に終始、あ~あ、今の社会の縮図を生々しく描いてるドキュメンタリーを見てる様な辛さと相反する気持ちが混在して何とも複雑な気持ちになりました、よってこのスコアです。

人間とはお互いの正しさを主張するあまりかくも残酷になれるものかと、個人的には冷静と情熱の狭間で揺れ動くカーラに同情してしまいましたね、目的のための手段は間違えたと思いますがその情熱だけは信じたいですね、『悪は存在しない』でも考えさせられましたが似たようなテーマが続きますね、やはり時代を切り取ってこその映画だと思いました、鑑賞後も余白を考えて2度楽しめるスルメ作品、だから映画はやめられませんね。
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