ペペロン大王

ミッシングのペペロン大王のレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
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うーん、微妙だった。少し期待しすぎたのかもしれない。吉田監督の良さって面白おかしさ+哀愁、展開の容赦のなさ、ネットに対しての解像度の高さ、人間の負の感情と優しさを上手く描く人だと思っていたが、どこか哀愁が強すぎてチグハグになってる気がした。『空白』はバランスが良かったものの、これは行き過ぎてる気がする。せっかく面白いやり取りがあるのにシリアス過ぎて台無し。『神は見返りを求める』みたいなぶっ飛んだ展開もなく、リアルに描きすぎている。ネットの誹謗中傷も「そんなことあるか?」と違和感を覚えてしまった。問題は行方不明になった娘の描き方で、冒頭にちょっと登場してから全く回想がないので、感情移入がしづらい。だから感動もしにくい。緩急もないので「いつ終わるの?」と思ってしまった。結末も読めてしまった。演技の面でも石原さとみより旦那のほうが引き込まれた。この監督にしてはあまりにも退屈すぎる映画。メッセージ性が強すぎ。次回作はもっとポップで笑える作品にして、その中に毒や哀愁を入れて欲しい。社会に切り込むとかはやめてくれ。次の作品に期待します。
ペペロン大王

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