だいカラさん

ミッシングのだいカラさんのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.0
2024年35本目です。

宣伝でこれは救いがなさそうだな、、と思って気になって観てみました。

行方不明になってしまった自分の娘を探す石原さとみと青木崇高が、地元のテレビ局の中村倫也の協力で番組の特集を組むが進展がなく、、なかなか進展しない状況にもやもやし続ける映画という感じでした。

町の掲示板とかで「この子みかけませんでしたか?」みたいな尋ね人の張り紙を見たことがあるけど、1枚の紙の裏には様々な人間模様、世知辛さ、虚しさ、涙、いろいろなことがあるんだな、、と思わされて、かなりきつい話でした。

マスコミとの関わりもなんともリアルで、最初は特集を組んでくれたのに上層部としてはもっと視聴率が取れるものを、みたいに言われ、泣く泣く別のニュースに変えるとか、、テレビではいろいろな事件や事故が毎日流れるけど、報道されなくなっても解決しないうちはその事件事故は終わらないよな、そういえばいつの間にか報道されなくなるニュース、たくさんあるよな、なんて思って胃が痛くなりました、当事者にとっては報道のあるなしなんて関係ないもんなぁ。

とにかく石原さとみと青木崇高がすごすぎて、当事者ではないのにまるで関係しちゃった、みたいな気持ちになって観てしまいました、だからめちゃくちゃ疲れた。

テレビ局側のキャストも中村倫也、小野花梨、トップ絵にしている細川岳、みんなとてもよかったです。愚直な中村倫也に対してそれだけじゃなー、と思ってしまう小野花梨と細川岳、よい対比。

上層部だって昔は違ったのに、なんていうのもあるあるです、どんな仕事でも聞く話だ。

ボランティアは減り、チラシの印刷所も値上がり、手がかりもなく進展もない、、どんどんすり減っていく夫婦の感じがものすごかったな。そこからさらに削られるのもすごいし、ほんの少しだけど嬉しいことが起こるのもよかったです、ちょっと足りないけど。

あと、石原さとみの弟役もすごいよかった、身内が犯人?みたいな憶測に巻き込まれる無実の親類ね、うわぁ辛い。

さすが「ヒメアノ~ル」やら「空白」やらを撮った吉田啓輔監督だな、な映画でした。俳優陣の演技のすごさで辛さが増すとは俳優冥利につきるだろうな。元気な時、晴れてる時に観た方がいいです。
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