なお

ぼくたちの哲学教室のなおのレビュー・感想・評価

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)
4.8
悪いことをした子は、罰するのではなく教育する。それがすごく良かった。

子どもの居場所は、良くも悪くも圧倒的に家庭にあって、そこにいる親の影響を強く受けるんだな、と思う。だから、どんなに学校が教えても、親が正反対のことを言えばそれがその子の思想になってゆく。じゃあ、学校ができることはなんだろう。

それは、親が知らないこと・できないこと、親とは違う考え・視点があるということ、家庭以外にどんな世界があるかということを、ひたすらに深く深く教え続けることなんじゃないかな、と思う。
先生は生徒との結びつきが家族よりも小さい分、教え一つひとつの深さが大切なんだなとと思った。
その深さとは、生徒との対話の中で生徒自身のことを知っていくなかで培うものなんだと思う。

逆に、自分が親になった時、自分の思想や言葉だけを子どもに与えようとするのは間違いなんだろうな、と思う。自分じゃ思いつかないような思想やアイデア、言葉を子どもが持てるようになれたらいいなと思う。そのために親ができることって本当に少ないし、何かやろうとしてできることじゃない、と思う。いつでも帰って来れる港になって、子どもを信じて見守ることくらいなのかな、と思う。


子どもは、うまくコントロールしたり言葉にすることができないだけで、本当は色んな思想や感情を持ってる。それを彼ら自身の言葉で外に出すのを手伝うのが、大人の役目なんじゃないかな、と思った。
そして、大人も人生のあらゆる段階でこの「子ども」になりうる。自分が「子ども」になったら周りの「大人」に頼ればいいし、「子ども」がいたら自分が「大人」になればいい。
なお

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