このレビューはネタバレを含みます
情報番組の司会をやったり、スーツで土下座するよりも、こういう気持ち悪くてうちに秘めて何考えてるかわからない役を演じられるほうが、ずっとすごいと思う。
こういう香川照之をもっと見たい。
オダギリジョーがとにかくかっこいい。
兄のために必死になってもかっこいいし、言った割には兄を放っておいてカメラマンやってても、やっぱりどうしてもかっこいい。
ずるい。
それとは反対に、香川照之は何をやっても何だか気持ち悪い。いい人・いい兄で居ようとするほど気持ち悪い。それを本人もわかっていて、だけどいい人はやめられない。
いい兄でいることと、逃げること。
その間の橋を何回も行ったり来たりしているうちに、揺れはどんどん大きくなって、橋はついに壊れてしまった。
結局弟が全部良いところを持っていって、お兄ちゃんが尻拭いする。
その歪さが、兄弟なんだなと思った。
蟹江・伊武兄弟は香川・オダギリ兄弟と対になっている。
前者は関係が良好になっていることから、
兄が兄という柵を壊した時、兄弟の呪いは解けるのだと思った。