ShuheiTakahashi

ぼくたちの哲学教室のShuheiTakahashiのレビュー・感想・評価

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)
4.2
私は世界や社会、常識や当たり前に対してたくさんの疑問、違和感を持って生きている。
考え続けて生きている。
だから校長先生の話には響くものがあった。
そしてこの学校や先生が生徒たちの話を聞くことに重きを置いている姿勢は凄いなと思うのと同時に、学校はこうあるべきなのかなとも思った。
まず叱ったりするのではなく、話を聞く。
そういう環境があるからこそ、話せることがある。
何故そういう行動をしたのか、先生は自分の話を交えながら、生徒の言葉を待つ。
生徒が自分の頭で考え、自分の言葉で話すのを。
一人の生徒が最初は興奮していたが、話していくうちに落ち着いていって、笑顔を見せてくれたことを忘れない。


哲学教室では、議題について、生徒それぞれが意見を出し合う。
討論ではない。
相手の考えを言い負かしたり、論破することがゴールではない。
どんな意見や考えも否定せず、尊重する。
話し合うこと、考えること、疑問を持つことが大事なのだ。
ぶつけ合うのではない。

哲学は問うことだと言っていた。
そして思索について思索すること。

自分の感情や、考えを自分で言葉にすること、それと同時に自分や感情を切り離して物事を見つめること、どちらも大切なんだ。
怒りについて話し合っている際、ある生徒が指の体操もいいよと言って見せてくれた。
私はこれから先怒りを覚えた時これを思い出すだろう。
左手の人差し指で右手の指の輪郭をなぞりながら、眠そうにしていたあの子を思い出すだろう。

そして先生一人一人が、特に生徒の話聞く専門?カウンセラー?の女性は生徒一人一人の行動、ドアを開けて待っていてくれたとか小さな行動に対しても肯定しめちゃくちゃ褒めてくれる姿にはぐっと来た。
誰一人駄目な人なんていない。



ただ映画作品として見るなら、シーンの切り替わりがかなり雑な気もさた。
テンポが早いというか、それでも伝えたいことは伝わったと思う。
ShuheiTakahashi

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