カニ

ぼくたちの哲学教室のカニのレビュー・感想・評価

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)
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ちょうどぼんやりと考えごとをしたいなと思っていたタイミングだったこともあり、あ〜良いものを観た…という気持ちに。
子どもたちへ向けた哲学的な問いはシンプルで、頭の中で自分の考えも巡らせながら一緒に授業を受けているかのように観ることができてよかった。

「わからない」と、思考をやめてしまうことが恐れや怒りにつながるのであって、何故その感情と行動に至ったのかを考えて、それを言葉にしたり名前をつけてみるとか、想像する余白を持つとか、正解の無いことを理解しようとする思考活動や試みに意味があり、それが哲学という学問として脈々と続いていることの尊さに思いを馳せることができたのもよかった。

どんな小さな言葉も尊重して、相手の考えを否定せずに最後まで聞けるという能力の重要性もめちゃ感じ、哲学的な思考活動を成立させる上で、自分の考えを安心して言葉にできるような受け手の存在は必要不可欠で、身近なところでそんな関係を築いていけたら素晴らしいよなぁと思った。


余白を見つめる学問や「なぜ?」と考えることはそもそも楽しいことで好きな時間だったよなぁと思い出せるきっかけにもなったので、考えない方が楽に生きられるかもしれない…と思考する余白を失いそうになった時にまた観たい。
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