さよこ

白鍵と黒鍵の間にのさよこのレビュー・感想・評価

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)
4.1
【世にも奇妙な物語をお洒落にした感じ😶‍🌫️】
クリスタル・ケイの歌声に惹かれて鑑賞。良かった。

🎹全体の感想
前評判があまりよくなくて期待と不安のなか鑑賞。過去/現在そして数ある未来の1つが入り混じったパラレルワールドを、時間軸など様々な法則を崩して描かれている。エッシャーの絵みたいで自分はけっこう好き。

🎹池松壮亮
池松壮亮の役は、(=同一人物)と解釈してたんだけど違ったみたい。作品紹介文によると、どうやら池松壮亮は一人二役(=別人)を演じていたらしい。先に述べたパラレルワールドは解釈違いだったみたい。本編では複合的な要因が重なって一人二役と思わせない設定になっていたし、先輩から呼ばれる名前が苗字⇔名前で違うのは関係性の変化とも捉えられるので、完全にミスリードにしてやられた。そして正確にいうなら一人三役演じてた。

🎹森田剛
これは予告詐欺がすぎるぞ。音楽を嗜む渋いヒゲおじさんじゃなくて頭の壊れたチンピラだった。森田剛は頭のおかしい役が似合い過ぎてて、ほんのり不潔さすら漂って、ジャニーズ事務所のイメージがすっかり打ち消されている。良い役者さんなんだろうけどハマり役すぎて怖い。

🎹クリスタル・ケイ
もっと出番増やして欲しいくらいとても良かった。台詞は全部英語なので、演技の良し悪しを分かりにくくしているのも良い。エンドロールでは彼女の歌声が流れると思って期待してたが、なんか知らん人の口笛だった。クリスタル・ケイを聞かせてくれよ。

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⚠️この先、ネタバレあります⚠️
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🎹苦手なシーン
音大の先生がタバコふかしながらピアノを弾いて、鍵盤の上に灰カスがばっさばっさ落ちるところ。鍵盤の隙間に汚れあったら音色変わっちゃわない?楽器を大事にしてない感じがして凄くイヤだった。

🎹意味不明なイキがり
ゴッドファーザーの曲は俺のものだ!ていう中学生でも言わないような変なイキがり方してて、ヤクザの親分が最高にダサかったな。小物感が凄い。

🎹昭和の銀座
1988年くらいの銀座が舞台。こんなに汚くて場末感のある街だったんだとびっくりした。道もゴミだらけだし、謎に東北訛りの店長が出てくるし、せっかく映画なんだし''あの時代の格好良い銀座''と思わせるような描き方して欲しかったな。汚いところのリアルはいらない。

🎹仲里依紗
主人公の先輩のわりに、実力が不明だから、先輩風をふかしている口だけ番長に見えちゃってとても残念。というか主人公は''先生''と敬意をもって呼ばれてるし、とっくに実力は抜かされちゃってるんじゃ…

🎹設定の粗さ
この世界観は『世にも奇妙な物語』にも通じるものがあって、非現実の世界だから辻褄が合ってなくても仕方ないかって思える。違和感をプラスに変える演出がうまいなと思った。

🎹その他、いろいろ
・池松壮亮の声が良すぎる。大好き。
・ギトギトに元気なおじさん苦手…
・日常にセクハラが溶けこんでて無理…これが昭和…
・母子手帳てそういう使い方するんだ!?
・サックスの人のさりげないサポート
・3年間がんばってお金貯めたのかな
・いきなり渡米する計画性のなさよ
・あの二人は面識ありそうでないのか🔪
さよこ

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