アムステルダムズ

ライド・オンのアムステルダムズのレビュー・感想・評価

ライド・オン(2023年製作の映画)
4.2
これは、ジャッキーチェンの役者人生そのものを題材にした映画。

かつてアクションスターとして名を馳せながら、事故により失脚し大道芸人やスタントマンとして細々と活動するルオ、子馬のころからルオにアクションスタントができるように調教され、親子のように日々を暮らすタレント馬のチートゥ、そして長年別居し、ふとしたことで再び交流を持つようになるルオの娘シャオバオの物語。

CG全盛期となった今、古きよきアクションはもはやオーパーツのようなもの。そのやり方しかしらないルオと、怪我をして欲しくないシャオバオは何度もすれ違ってしまうが、その度にお互い歩み寄ろうとする親子劇に涙を誘われる。

また印象的なのが、劇中にルオの過去作として流される映像は全てジャッキーチェンの本物の歴代作品。令和の今見ると命綱もなく何度も流血するあまりに常識外れなアクションをジャッキー自身が振り返り、「痛かった?」と問われて「忘れた」と答えるルオは、ジャッキーチェンの心からの本音なのだろう。

正直ストーリーそのものは単調で、演出においても間延びしたくどい部分もおおい。しかしそれも、アクションに全てを捧げてきたジャッキーチェンの不器用な部分を表していると思うと趣を感じる。