クリーム

私がやりましたのクリームのレビュー・感想・評価

私がやりました(2023年製作の映画)
3.7
オゾン監督のコメディは、初めて観ます。現実以外をモノクロの無声で、現実をカラーで描いた、お洒落なコメディでした。そして、ユペール様の姿が…💧この手の役はあまり観て来なかったので、面白かったです。早口で捲し立てます(笑)。そんなに毒気のないコメディで、ユペール様が後半出て来るまでが、やや長く感じました。

売れない女優マドレーヌは、プロデューサーに会いに行くと愛人になれと言われ、襲われ、噛みついて逃げます。その頃、アパートでは駆け出しの弁護士でルームシェアをしているポーリーヌが、家主から家賃の催促を受けていた。そして、その後警察がやって来て、プロデューサーが殺されたと言い、マドレーヌが銃を所持していた事で、容疑者となるのでした。



ネタバレ ↓



ポーリーヌとマドレーヌは、正当防衛を主張して無罪を勝ち取り、さらに被告人の最終陳述で尊厳を守る女性を演じ、俳優として売り出そうという企てます。
裁判はシナリオ通りに進み、マドレーヌは無罪。そして売れっ子女優になり、無罪を勝ち取った弁護士ポーリーヌにも依頼が殺到。2人は、成功を納めます。するとオデットというサイレント時代の売れっ子女優が現れ、プロデューサーは自分が殺した。貴女方の成功は私のお陰なのだから、分け前をよこせと言います。拒否するなら、自分が殺したと名乗り出ると証拠の品を見せながら脅します。
断られたオデットは、判事の元へ行き、私がプロデューサーを殺したと言いますが、信じて貰えず追い払われます。
一方、ポーリーヌ達は、オデットを仲間に新たな策略を練り、彼女の要求する30万フランを手に入れ、舞台にも復帰させると約束します。またマドレーヌと恋人アンドレの結婚を彼の父親に認めさせます。そして、マドレーヌが出演している舞台劇でオデットを再起させ、ちゃっかり、プロデューサー殺人事件の顛末を織り込んだモノにして、大成功で幕を閉じます。

貧しい2人の女性が男性社会のセクハラや権威主義に対して立ち向かう姿をコメディで描いていて、彼女達が成功して行くのは爽快だけど、至って普通の感じ。後半ユペールが出て来ると楽しそうに演じている彼女に目を奪われます。私は、あんなユペールの姿は初めて観た。意外性があり楽しめました。しかし、オゾン監督なので、もう少し意地悪な内容にして欲しかったです。コメディなので仕方ないんだろうけど…。面白いけど、オゾン監督作品として物足りなかったです。
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