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キングダム エクソダス〈脱出〉のinazumaのレビュー・感想・評価

4.6
ついに完結‼️
5時間超におよぶ、謎と笑いと恐怖のごった混ぜ劇場開幕!

正式な完結編というよりかは、トリアーによるファンサービスのような、シリーズからは独立した作品である印象を受けました。TVシリーズとしての「キングダム」を描いたりと、ちょっとメタ的な視点が一部入っていたり、前作同様に章ごとのエンディングで出てくる監督の解説(?)を聴いてるとそんな感じがしました。
「20年以上も前の未完ドラマの続編を今作るってアツいだろ!?ドラマだろ!?」と、監督並びに製作陣の声が聞こえてきそう笑。…いや~アツいっす監督。

群像劇としての素晴らしさは顕在。
正直ヘルマーをはじめ、ドルッセ夫人、メースゴー、ブルザー、ボンドらレジェンドがいない寂しさは計り知れず、彼らがいればもっと、数億倍楽しめたんだろうなと。(ボブ院長が続投してくれてたのはめちゃくちゃ嬉しかった!しかも見た目全然変わってない笑)
続投メンバーは何人かいるものの、ヘルマージュニアやカレンおばあちゃんら新メンバーがメインで進みます。ジュニアは最初出てきたとき、独特の声とパッと見"腹に一物ありそうなデキるヤツ"みたいなイメージで、「コイツのこと好きになれるかな…」という一抹の不安が生まれましたが、、ものの数分で好きになりました笑。親父以上に酷い嫌がらせを受けまくってズタボロになりながも、スウェーデン人としての誇りを胸に執拗に復讐を図るところとかさすがヘルマーの息子といったところ。それでいて、親父と違って感情が表にでやすいところとか可愛くみえたりしました笑。

キャスト陣はトリアー監督常連が結構いてファンは嬉しいはず。主演のカレンおばあちゃん演ずるは『イディオッツ』で主演カレンを熱演したボディル・ヨルゲンセン!イメージ変わらず優しくてかわいらしいおばあちゃんでした。役名が一緒なのもなんか嬉しい。同じく『イディオッツ』からメンバー最年少イェップ役のニコライ・リー・カースや、狂気のリーダー・ストファーを演じたジェンズ・アルビヌスも顔見せてくれて嬉しかった。そして極めつけのウド・キア&ウィレム・デフォー!!今やトリアー作品に欠かせない盟友たちの存在感もMAX。
あとツヴァ・ノヴォトニーがとても可愛らしくて印象深かった。いろんな意味で危険な女性ではありましたが。女優のほか映画監督もしてるようで。今後が気になる。続投組ですがモナも可愛かった。

ラストに映る"場所"と"監督の注釈"が気になる。解説がみたい。

トリアー祭はこれにていったん終幕か…
レトロスペクティブと合わせて、こんな立て続けに映画館に足を運んだのは何年ぶりだろうか。楽しかった。ラースフォントリアーの今後の動向に注目!
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