このレビューはネタバレを含みます
好きな人がいて、夢があって、
今なんだというタイミングで実行できなかったこと、その道を選べなかったうえに最愛の人とも結ばれなかったこと
やりたいことができている弟の存在や
結婚して家庭を持っている人への恨めしさ
父の容体が悪くなってから自分のことは後回し
家族のことだから放り投げることはできないから。
自分の中にあるもやもやしている感情とどうやって向き合えばいいのか
このままではいつか爆発するのでは、と主人公のテツヤを見つめる
あの時の姿がかっこよかった
そういうこと嫌いだよね
すきな人が話す過去の自分とは正反対になりつつある今の自分
なんでこうなってしまったんだろう
ずっとずっと、あの頃から前に進めない自分とは反対にしあわせそうなまわりの人たち
幸せは人それぞれ違う
じゃあ幸せって一体なんなのか、と問われ続ける
馴染みのある新栄商店街が温かくも見えたり寂しくもあったりするから不思議
一度抜けた福井弁もこの地に戻ってくればなかなか抜けることのない癖の強さと
湿っぽい人たちとの狭間での生活はとても苦痛で
私も生まれ育った場所を恨むことが多かったから
地元に対して嫌な気持ちを抱えて上京した監督だからこそ描ける主人公の気持ちはわかる部分が多かった
いっちょらいとは福井の方言で「一張羅」のこと
その意味が(自分にとって)いいもの
だというから
声を張り上げていっちょらい節を踊るテツヤの姿が
今思う自分のしあわせなのかなと思うとこの先の道はわからないけれど少しだけ心が軽くなった