デブチンバラ

抱擁のかけらのデブチンバラのネタバレレビュー・内容・結末

抱擁のかけら(2009年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

主人公は盲目の脚本家。のっけから、道を渡るのを手伝ってくれたという親切な女性を家に連れ込みセックスをしでかす。冒頭でこの主人公のキャラクターがわかるというものだが、話が進むにつれて(この脚本家の過去が描かれる)、彼に勝るとも劣らない厄介な人たちが登場してくる。年老いた実業家は若い秘書の女性を手玉に取り、その関係を繋ぎ止めるために彼女の夢を叶える。映画にお金を出し、彼女を出演させるのだ。その映画の監督というのが、今は盲目の脚本家となった男である。実業家は金を出すだけでなく、息子を撮影現場に張り付かせてビデオを回させ、女優となった彼女の行動を監視する。この映像を自宅の大画面で観ながら、読唇術が出来る中年女性に喋っていることを言わせるところが実に変態的だ(なぜビデオで音声が録れていないかはこの際忘れましょう!)。この息子というのも「血を吸うカメラ」の主人公のごとく女優にカメラを向ける執着心が凄い。女優と監督とが関係を持ち、実業家は激しく嫉妬する。この映画、そんなドロドロの愛憎を描くのだけれども、そこはアルモドバル。ドロドロの泥ではなく。ドロドロのマーブルチョコレートと言った感じだ。
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