このレビューはネタバレを含みます
夏とはいえ灼熱の太陽ではなく、柔らかな日差しが高校のプールの底に届く。そのプールには水が入っておらず、砂が薄く積もっている。そこに四人の女子高校生と一人の女教師がやって来て会話劇が始まる。この映画を観ていて、何が一番気になるかといったら、プールの底の砂をワルツホーキで掃き、ちりとりを使ってバケツに集めるのだが、いつまで経っても底の砂が一向に減らないことである。その理由は映画の途中で明かされる。校庭で野球部が練習をしているとプールに砂が飛んでくるので、野球部が練習をやめない限りプールの砂はなくならないというのである。しかし、それを聞いても私は腑に落ちなかった。なぜなら、彼女らが砂を掃く行為は、この劇の作り手が彼女らが手持ち無沙汰にならないためにやらせているとしか思えず、彼女らは本気で砂など掃こうとはしていないからである。プールの場面でのカット割りなどは素晴らしかっただけにそこが残念でならなかった。