まねきねこ

首のまねきねこのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.0
(この作品に期待すること)
戦国武将を全員悪役として描いていること。戦国版アウトレイジであること。時代考証がしっかりとなされていること。戦闘描写が苛烈であること。12月公開予定のリドリー・スコット「ナポレオン」が物足りなく感じるほどのインパクトを期待しています。

(感想)
面白かった! 140分の上映時間ずっと集中しっぱなしで、終わったあとドッと疲れた。けど頭の中は『首』のことでいっぱいで、未だに感情の整理が付いていない。
期待どおり、戦国武将は全員悪人だった、というより、現代と地続きの人間として描かれていた。一切の神格化を取り払い、きっとあの世でこの映画を観た武将たちは「そうそう!」と言って手を叩きながら喜んでいるに違いない。

この映画は今までの北野映画と違って、絵の美しさを見せるということをほとんどしていない(最初のカニのシーンや、侍の死体が無数に転がり、血の赤と草の緑のコントラストが美しいシーンはあるのだが)。だからコントっぽいという評価も理解できる。けどそんなこと、どうでもいいんだよ! と蹴りあげたい。
ルールが多すぎる世の中に対し、信長のように狂い、秀吉のように蹴り飛ばす、そんな映画です。