ユート

首のユートのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.6
北野映画初体験!劇場で邦画を観るのもかなり久しぶり。貴重な体験だった。

まず冒頭。白い画面にタイトル『首』がどどん!アガる〜。しばらくして背景が白から青へ。字が黒から赤へ。そして、よくある刀音。シュパッ。「首」の上の部分が切れ落ちて、本編の始まり。

戦国版アウトレイジかと思っていたけれど、まさかの男色要素があるとは。とはいえ、北野監督のインタビューでは、「命をかけた主従関係においては男同士であってもそれほどまでの関係になる」というような発言があり、今の同性愛とは少しニュアンスが違うのかも。

西島さんは『なに食べ』で同性愛を演じてるのでBL光秀にあまり違和感がなかった。

また、秀吉(北野さん)、秀長(大森さん)、官兵衛(浅野さん)の3人のやりとりが良かったね。家康の絡みや清水宗治の切腹シーンとかたまらんかったなあ。

最後はかなりあっさりしてたので、「あれ?終わり?」とはなったけど、“首”に執着する様をまさに“一蹴”するのは、シニカルな終わり方でありだなあと思った。

本作の鑑賞には、基本的な日本史の知識があった方がスッと入ってくる。特に登場人物が多いので、勢力関係はわかりやすくなるかも。ただ、物語の流れは冒頭に説明してくれるので、「本能寺の変で信長が明智にやられたんでしょ?」くらいの理解で問題なく楽しめると思う。

あとタイトルが“首”なので、お察しの通りそれなりの数の首が飛ぶので、苦手な方は要注意。個人的には斬られた首の作り物が軽すぎやしないか?とやや違和感があった。

初の北野映画だったので、観た直後はちょっとポカンだったけど、皆さんのレビューも拝見し、色々と整理したところ、十分に楽しめる作品だったことは間違いない。

地上波では多分観られないし、合戦シーンは見応え十分なのでぜひ劇場で。
ユート

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