このレビューはネタバレを含みます
おもしろかった。グロがどの程度かわからず大丈夫か心配だったけど大丈夫でした。
圧倒的ホモソーシャルの世界を戯画化して、なにもかも全部滑稽だ、と見せる。
なのでホモソーシャルの話なのに、not for meだ、みたいな疎外感を感じなかった。ちょっとそこに感動した。
百姓だから侍の矜持や心情みたいなものがピンとこない秀吉目線なのもすごくよかった。最後の台詞もいい。信長の首に執着した(というか秀吉以外全員そうなのだけど)明智との対比。ある意味アウトサイダーな感じ。弥助も外側にいた。
でもこの後の展開を考えると秀吉はあのままの感じでずっと外側にはいられなかったと思う。だから信長の弔い合戦で終わりなのもぴったりだと感じた。
衆道はいつ裏切られるか、自分が裏切るか、裏切るべきかわからない中では惚れた惚れられたみたいな感情が沸きやすくなりそうだし、政略だけでなく情緒的なつながりに頼りたくなるかもなぁみたいなことを初めて考えた。
ホモソーシャルな世界の、めちゃくちゃ感情的で情緒的なところが描かれていてよかった。
この人のためなら全てを差し出すみたいな気持ち、全て差し出してきたのに裏切られたと感じたら寝首をかきたくなる気持ち、天下を取りたい気持ち、全部ビッグ感情。
