UberLoser

首のUberLoserのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
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賛否分かれているようだが、自分は賛でした。

面白かった。ハッとした。
時代劇で描かれる「侍」はカッコいいもので、
それが当然だと思っていた。

この映画は「侍」をとことん笑う。
滑稽で、みっともなくて、バカばっかり。
潔く腹を切ろうって時も、あんなもんだよ。
みんながあれほど求めた首だって、そんなもんだ。
人間なんてこんなもんだ。
その視線が痛快。

後年に作られた「侍」像を破壊してやる。
「大作時代劇」像を破壊してやる。
そんな野心にあふれる一本だった。

日本アカデミーの作品賞も監督賞も入ってないんだな。
王道じゃないからか。
王道じゃないから面白いのに。

海外でウケる気はしないけどね。
これまでの日本の時代劇の文脈を知っていればこそ、
カウンター的に面白い映画という位置付け。
日本ではもっと評価してもいいんじゃないかねえ。

画作りも良かったし、キャストも全員ハマっていた。
ビートたけしが年取りすぎではあるが、
壮大な侍コントの中であの役を他の誰かができる気もしないな。
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