だはる

キリエのうたのだはるのネタバレレビュー・内容・結末

キリエのうた(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

こんな映画もあるんだなぁ、がいちばん素直な感想。
ストーリー性とか起承転結とかそういうことよりも、監督なのかな、「伝えたい主体」がいてその人の見せたい世界をみせてもらっている感じ。
3時間!?と思ってたけど長くは感じなかった。

路上ライブと警察のエトセトラ、これ必要…?ってはじめ思ったけど、多分いちばん分かり易いメッセージはここにあって、「人々」を守るためにあるはずのルールとか決まりとかが、実はあの世界の誰のことも守れていないということなんだろうね。真緒里も路花も、ルールの側からしたら扱いづらい存在だけど、彼女らはすでに生きているし生きているからには生きていかねばならない。
希がちょっと怖い女なのも逆に(?)リアリティがある。なんだか舞姫を思い出した。

夏彦はしょうもない男といえばしょうもない男なんだけど、自分のしょうもなさにちゃんと気づいてしまう程度にはまともで、かつそれに開き直れるほど肝が座ってもない。希も夏彦が親に希の存在のことも子どものことも話せないことわかってたもんね。
演技の良し悪しなんて私にはわからないけどそんな「普通の」男のしょうもなさが表情からよくわかった。

ガラス花にしても憐れみの讃歌にしてもアイナジエンドの作るメロディは歌いたくなる。
あとアイナジエンドによるLemon、よかった。

キャッチコピーが「あなたがいるから」なんだなぁ

※追記
・予告編「恋章」を改めてみると、映画には入ってなかった気がするカットが結構あって、本編で私が得た印象よりも夏彦は希のことが本当に好きだったのかもしれない。

・憐れみの讃歌、作詞作曲小林武史さんでした🙇‍♀️
だはる

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